NEC RED ROCKETS
  • 公式facebook
  • 公式X
  • 公式instagram
  • 公式youtube
  • 公式tiktok

エバンジェリストが突撃!元アナリスト藤原さんにみんなが聞きたいこと聞いちゃいます!Vol.1

コラム・記事

シェアする

廣瀬エバンジェリストによる、2021-22シーズンまでチームに在籍していた藤原元アナリストへの突撃対談コラムとなります。序章はコチラ

藤原元アナリストが感じたチームの成長 

 

廣瀬:チームから離れて半年、今のチームを見て感じたことはありますか?・・・なんか、インタビューみたい(笑) 

藤原:うーん、なんだろうな。ほかの試合をあまり見ていないからわからないけどこの試合(皇后杯決勝)だけ見たらフロアディフェンス(*①)は良くなっている気がした。個人個人の動きが良いっていうのが1番かな。システムがなにか大きく変わった訳では無いから、多分フィジカルトレーニングとかトレーニングの結果、今までは触ってたけど落ちていたボールが、触って落ちずに繋がっているというのは増えているんじゃない?ってまあ、全然数字を見ていないので何とも言えないけど。

廣瀬:今年、私も感じていることがあるんですけど、夏場にずっと走り込みをしていて最後までスタミナが切れなくなったなと。

藤原:確かにそうだね 。

廣瀬:なんか、体力勝ちしている部分もあるなととても感じています。あとは1つ1つの動きにメリハリがすごくついていて・・・言語化出来ないんですけど・・・1個と1個の動きがはやい!無駄な動きが無いというか、動きが変わったなと感じていたので、フロアディフェンスに日々のトレーニングだったり、それこそ里さんのトレーニングも毎週やっているので繋がっているかなと 。

藤原:夏に代表に行って抜けていた選手たちも良くなっていて、全体的に底上げしているから、チームで要求される水準が上がってるんじゃないかな。サラ選手の動きも良くなっていると思うし。

廣瀬:技術と少し離れてしまうけど、夏場の努力や積み上げてきたことは裏切らないですね。
藤原:一関S&Cコーチと里パフォーマンスアーキテクトの連携により、ほんとにアーキテクトされてるなって感じるね。
 


ぶっちゃけ監督の采配ってどう思います?

廣瀬:2枚替え(②)をリーグでも皇后杯でも使う場面がよくありますが、今シーズンの2枚替えのタイミングや選手交代(③)について、元アナリスト目線でどう思うのかなというのがとても知りたいです。ちなみに藤原さんは、アナリスト席から「今、この選手を起用するのいいんじゃないですか」など監督に言ってたりしていましたか?
藤原:うん、話してた。2枚替えって大体2ローテ目だと思うから、まあ、自分から言うことはあまり無かったけど、その時に行くか行かないかの判断をするとき見る数字は、例えばレフトの決定率が高ければ下手にセッターを変えてしまうとちょっとコンビが合わなくなって数字が下がってしまうという場合もあるから1回我慢しようかとか、逆にちょっといま流れよくなかったりサイドアウト(*④)取れてないから、途中ローテでも2枚替えいこうとか。
特に2枚替えするかしないかで大きな影響を与えていたのは、セッターの横にいるミドルのブロード(*⑤)が効いてるかどうかで、去年は島村選手がかなり動いて自分で点を取っていて、2枚替えをして前衛3枚にしなくてもサイドアウトが取れるのであれば、リスクを取ってセッター変える必要ないね、と我慢した時も何回かあった。
今シーズンはそのポジションに島村選手がまだしっかりとは入っていなくて、そこに上野選手山田選手が入っている中でちょっと意識しながら・・・2枚替えが今シーズン光っていると感じる。もちろん、柳田選手澤田選手を使いたいくらい二人の調子がいい、というのもあると思うけど。


個人的に聞きたいのですが

廣瀬:ちなみに私の時ってどうだったんですか?(笑)
藤原:廣瀬は相手が対策していても決められる選手だったからね、同じポジションの選手や全体的な数字を見ていつ出そうかというのはよく話していたよ。
廣瀬:嬉しい・・・。監督の思いつきじゃなかったんだ(笑)
藤原:まあ、そんな時もあったけど。その判断が大事な時もあるし、必ずしも数字が正解を出してくれるとは限らない
これから先のリーグ戦では、この2枚替えに対しても相手は対策はしてくると思うから、2枚替えしているけどサイドアウトが回らない、流れが変わらない状況が出てくるし、この試合(皇后杯決勝)も多分柳田選手はもっと出来るかなって感じた。同級生としての期待も込めて(*⑥)。もっと多分引き出しもあると思うし、決めないとダメだよねという場面、本人もわかっていると思うけど、決め所のシーンで決められない場面がいくつかあったかな。そこは2023年はやってくれると期待します。
 

熾烈なメンバー争いはスタッフにとっても苦悩の選択

廣瀬:これからのリーグ戦でやってくれますね。ただ、2枚替えもアウトサイド(*⑦)の選手はまだ沢山いて、今は柳田×澤田の2枚替えだけどそこに違うスパイカーや内定でセッターも入ってくるので・・・
藤原:そうか、セッターが内定で入る(*⑧)んだもんね。メンバー争いが大変だね。
廣瀬:そうなんですよ。
藤原:監督も悩むよね。
廣瀬:嬉しい悩みではありますよね。
藤原:去年も前日の会場練習でやっとメンバーが決まるのが多かったよね。選手にとっては負担だったのはわかっていたけど、本当に難しくて、当日の朝にミーティングをしてその時にメンバー言うこともあったくらい。嬉しい悩みだよね。
廣瀬:今シーズンはいつもと少し違ったパターンで、りこ(#19藤井選手)がレシーバー登録で入ってベンチにリベロが3人(*⑨)いる時があるんですよね。基本、リリーフサーバーでの出場にはなりますが。
藤原:去年はアイディアとしても無かったと思う。自分がいたときは藤井選手がサーブを打てることも知らなかった。もともと打てたのか、練習して打てるようになったのかわかんないけど。
廣瀬:めっちゃ練習していました。
藤原:流れ変えるって技術だけじゃないところもあるだろうし、金子さんはそういうところを大切にする人だと思う。だからこそ、やりすぎたら止められるスタッフ陣の存在を大切にしてくれていたし信頼してくれてもいたかな。
廣瀬:ちょっとわかります。藤原さんとの関係性もいいなと思っていました。
藤原:アナリストとして入って最初は山田監督(*⑩)だったけど、金子監督になって4シーズン一緒にやって、自分にないものを金子さんはもっているし、アイディアも出してくれるし、自分は、金子さんの中に無いものを言おうと思っていたから、お互い積極的にコミュニケーションが取れていたかなと思う。
廣瀬:金子さんって熱いですよね。
藤原:だから、藤井選手が頑張っているのを見て使おうと思ったはず。もちろんやりすぎちゃうと、他の選手の方が良いのに・・というところで、周りが見えなくなって間違った選択をしてしまうこともあるかもしれない。だからその時はコーチやアナリスト、止めてねっていう話になっていると思う。その点はチームとして良いよね。スタッフとしてのベンチワークは出来ているし、今回こうして結果としても出ているから。とはいえ、藤井選手に関してはリベロで出たいと思う気持ちもあるはずだし、越えないといけない壁はこれからまだまだあると思う。
廣瀬:藤井選手のような選手はチームにとって大事な存在ですよね。
藤原:本当にそう思う。
廣瀬:コートに出る時はもちろんだけど、ベンチにいるときの立ち振る舞いや、チームのために自分の出来ることを全力で取り組んでいる姿勢は、「日本一元気なチームになる」とシーズン始まる時に言っていたけど、藤井選手がチームに体現していると思います。
藤原:象徴だよね。他にも、今回ベンチアウト(*⑪)だった人も日本一には必要なピースとして動いていたと思うし。試合前の練習も。それはロケッツのいいところだよね。
 


アナリストの経験

廣瀬:私の1番苦手なところとして、“数字”の部分なんですけど・・・今回皇后杯の公式データを持ってきました。皆さんも見ることの出来るものです。
※決勝戦公式のB帳票はこちらよりご覧いただけます
藤原:アタック決定率を見るとそんなに両チーム変わらないから、それ以外のところが勝敗を分けたのかな。スパイクのところで違いがあるのは失点。相手(東レアローズ)のスパイク失点が思ってたより多いので、そこはロケッツが良いプレッシャーをかけて、相手がミスしなきゃいけないくらい追い込んでいたのかな。
廣瀬:フロアディフェンスで相手にプレッシャーをかけることが出来ていたというのもありますね。
藤原:そうだね、どんどん打てるところが無くなっていって、決められるところが決まらなくなって、スパイクがラインを越えてアウトになったりインナー狙いすぎてアウトになったりっていうのはあったんじゃないかな。
廣瀬:指先狙ったけど、当たらなかったとかも。
藤原:あとはサーブミスだよね、気になる数字は。
廣瀬:そうですね、相手は目立っていたかもです。
藤原:これも多分、狙っていたけどうちが我慢できていたから、もっと攻めなきゃ攻めなきゃでサーブミスが出ていたのと、あとは東レさんはリードする展開が多かったから、余裕もって打てていたのが結果ミスになっていたのかな。逆にレッドロケッツはもうちょっとミスを出してでも攻めてよかったのかもしれないけど、ビハインドという苦しい状況が多かった中で結果的に良いサーブが打てていた。まぁリスクコントロールとしては少しキープ寄りだったかな。
廣瀬:いいサーブでもミスしてしまうと相手のストレスはほとんどないですよね。リベロが取る場面もあったけど、ミスなしでコントロール出来ていたのが結果よかったんですね。
藤原:あとは、東レさんはフロントレフトで点を取れるチームだから、そこにいやらしく打ったり(*⑫)とか、古賀選手もコートの右端と左端の両方からサーブを打っていたので、こっちからただ単純に狙いましょう、この人に打ちましょうだけではなくて、戦略的にこういう駆け引きの中でこう打ちましょうとかありそう。本人が考えたこともあるだろうし、ベンチからの指示もあったとは思うけど、リスクを取らなくても相手を苦しくさせられるサーブが見つかったから、結果的にこういう数字になったのかな。一方で、東レさんのどんどん打ってどんどん攻めていこうのサーブに、うちが耐えきることが出来たのも大きかったんだろうね。去年までもサーブで崩されて負けた試合もあったから。
廣瀬:ありましたね・・・
藤原:成長した部分だね、この試合を見ると良くなっていると感じる。
廣瀬:今シーズン古賀選手はよく場面に応じて左右色んなところから打っていますね。
藤原:去年はあんまりそういうことが無かったよね。サーブの時はしていない印象。
廣瀬:みんなサーブはルーティンとしてここから打つっていうのがある気がします。
藤原:ね、大事にしてるよね。だからスタッフ側からも言いにくかったところがあるよ。練習の時にいろんな場所から打っている人には、理由や意図とともに「こっちからこう打ったらいいと思うよ」と指示出来るけど。
廣瀬:左右両方から打たれるのって嫌ですよね。角度も変わってくるし。
藤原:相手も「何したいんだろう」と考えさせられちゃうよね。それが伝わるのもプレッシャー。まあ自分はサーブを受けないからどう感じてるかはわかんないけど(笑)、 多分、しんどいよね。
廣瀬:私もわかんない(現役中はレセプション免除でした)。
藤原、廣瀬:(笑)
廣瀬:すごくサーブも良かったです。それもあり、流れを掴めたのもありますね。
さて、やっと本題にいってもいいですか?ここまで30分も話してしまいました。
 


 
ということで、次回、やっと本題に入ります!(笑)
次回は映像を見ながら藤原さんの解説を聞いていますのでお楽しみに!

用語解説

①フロアディフェンスとは、相手の攻撃に対するブロック以外の守備をいう。
②2枚替えとは、セッターとその対角のアタッカーを同時に交代する選手交代術のことである。
選手の交代は1セットあたり6回まで認められており、交代によりベンチに下がった後、同一セットの間に1回だけコートに戻ることができる。
この場合は、自分と交代して入った選手としか交代できず、回数は2回(ベンチに下がる際に1回、コートに戻る際に1回)とカウントされ、また、リベロとの交代は選手交代の回数にはカウントされない。
④サイドアウトとはサーブレシーブ側のチームがそのラリーを制し得点すること。
⑤ブロードとは相手のブロックをかわすためにミドルブロッカーがライト方向に走りながら低くてはやいトスを打つ攻撃。
⑥柳田選手と藤原元アナリストは1996年3月生まれで同級生となる。
⑦アウトサイドとは、主に左右両サイドからのスパイクを打つ選手のことである。
⑧2022-23シーズン 内定選手のお知らせはコチラ 
⑨リベロとは攻撃に参加できない守備専門のポジションのこと。ユニフォームの色が他の選手と異なる。後述の⑪も参考。2022/12/3(土) vs KUROBEにおいて、藤井選手がレシーバーとして試合出場選手登録され、リリーフ(ピンチ)サーバーとして出場。サーブで相手を崩し、得点に貢献した。
⑩2008年~2018年の山田晃豊元監督。2014-15シーズン、および2016-17シーズンにてVリーグ優勝を経験している。
⑪Vリーグの公式戦では、1チーム各試合につき最大14名の選手を出場可能選手として登録できる。 登録が13名以上の場合は リベロプレーヤー は必ず2名登録しなければならないが、登録が12名以下の場合はリベロプレーヤーは0から2名の範囲で登録できる 。ベンチアウトとは、その試合において出場可能選手として登録されなかったことを指す。
⑫サーブを打つ際、相手側レシーバーで攻撃で点を取れるアタッカーを狙い1本目を取らせることにより、体力的・体勢的にもプレッシャーを与えて点を取らせないようにする。


藤原稜(フジワラ リョウ)
2021年シーズンまでの4シーズン、NECレッドロケッツのアナリストとして従事。
現在は、NECレッドロケッツ・NECグリーンロケッツ東葛を支えて応援いただくパートナー企業様の営業担当部門にて社業専念。
 
廣瀬七海(ヒロセ ナナミ)
2021年シーズンまでの6シーズン、NECレッドロケッツアウトサイドヒッターの選手として活躍。
現在は、NECレッドロケッツやバレーボールの魅力を広く伝えるエバンジェリストとして、コート外にて幅広く活動中。

※二人の退団時のお知らせ(コメント)はコチラより。
※令和4年度天皇杯・皇后杯全日本バレーボール選手権大会優勝に関してはコチラよりご覧ください。
 (試合のアーカイブ配信へのリンクもございます)


チーム公式SNSは以下ございますので、是非チェックしてください!
TwitterInstagramFacebookTikTocYoutube